ゲームトップ > ニュース・Q&A > ニュース > 根強いファンを抱えるスマホRPG定番ブランドKEMCOの最新RPG!「ルインバース」レビュー
ここから本文です

ニュース詳細

配信日時:2019年12月9日 20時00分

iOS Android

根強いファンを抱えるスマホRPG定番ブランドKEMCOの最新RPG!「ルインバース」レビュー

KEMCOが12月2日より配信開始したスマホ向けRPG「ルインバース」をレビュー。「ルインバース」の魅力とともに、根強いファンを抱えるKEMCOのRPGの魅力について紹介したい。

「ルインバース」は、KEMCOが12月2日より配信開始したiOS/Android用RPG。ヒューマン、ビースト、ドワーフ、エルフという四つの種族が住まう世界を舞台に、神話を巡る物語りが繰り広げられる。この「王道ファンタジー」的世界観に、ランダムエンカウント&コマンドバトルと言う日本のRPGにおける伝統的システムが組み合わさっている点が本作の特徴…いや、KEMCOのRPGの特徴でもある。この記事では「ルインバース」の魅力とともに、KEMCOのRPGが持つ魅力についてじっくりと紹介したい。

■16Bit的RPGを地道にリリースし続ける定番ブランド!それがKEMCO

「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」が世に出てから今年でもう7年。スマホゲームは世の中へ完全に定着したといっていいだろう。この7年の間には、PS3からPS4、WiiU/3DSからニンテンドースイッチといった家庭用機の代替わりも起きており、経過した期間は決して短くない。その中で、先に挙げた「パズドラ」をはじめ、スマホゲームの有名タイトルも何本も生まれている。そうした有名タイトルの中にKEMCOのゲームが入るかというと、なかなか入っては来ないだろう。KEMCOの作品は、「パズドラ」や「モンスト」、「FGO」のようなスマホを代表するタイトルとは言い難い。しかし、KEMCOはスマホゲームの黎明期から、クオリティの高いRPGを作り続けてきたデベロッパーだ。このため、「スマホRPGといったらKEMCO」という根強いファンを抱えている。

KEMCOが主力としているのは、RPGとアドベンチャーゲームで、いずれも有料アプリとして提供される場合が多い。そして、RPGについては、スーパーファミコン時代…あるいはPC9801時代を思い起こさせるスタイルが特徴といえる。つまり、3Dではなく2D。見下ろし型のマップを移動し、敵とエンカウントしたら戦闘シーンへ移行。戦闘シーンではコマンドで行動を選んで戦う…というスタイルだ。

RPGに限らず、ゲームというエンターテイメントは、技術の進歩によって表現手段が大きく変わっていくという特徴を持っている。これがマンガなら、時代によって絵や物語のスタイルは変わっても、ページの中をコマで区切り、コマの中に絵とセリフで物語を表現していくという形は変わらない。

しかし、ゲームは違う。ファミコン・スーファミ時代はセリフによって物語を表現していたRPGも、よりリッチな表現を求めてゲーム中にムービーを用いるようになった。さらに技術が進歩すると、ターン制からリアルタイム制を採用する作品が増え、キャラクターがリアルタイムに動き、物語を進めるように。そして、スマホが普及して無料ゲームが主流になると、短時間でもプレイできるよう探索要素が薄くなり、会話劇によるストーリー描写とバトル・育成だけを楽しむ作品が増えていった。

…つまり、ゲームは、時代時代によって主流となる表現手段が大きく変化する。もちろんこれ自体は悪いことじゃない。ただ、過去に主流だった表現手段の新作が出なくなってしまうのは、残念でもある。だって、過去主流だった表現手段は、現在主流ではないというだけで、別につまらなくないわけじゃないのだ。だから当然のように、スーファミ時代の表現手段を使った新作RPGをプレイしたいという人も一定数存在している。そう、そういう人にとって、求めるゲームを提供してくれるデベロッパーこそ、KEMCOというわけだ。

■冒険によって世界を広げる!懐かしさを感じさせるゲームシステム

本作「ルインバース」もまた、スーファミ時代やPC9801時代をホーフツとさせるゲームシステムのRPGだ。プレイヤーは主人公・セティとなって、2つの魂が宿ることとなったヒロイン・エンリを救うべく冒険の旅に出る。

ゲームの流れも、RPGの王道。村や町でイベントを見て目的地を確認、目的地…たいていはダンジョン…へ向かい、敵と戦いつつ目的を達成というのを繰り返していく。マップは村や町、フィールド、ダンジョンのいずれも見下ろし型の2Dマップ。敵との遭遇はランダムエンカウントで、戦闘はターン制のコマンド式バトルとなっている。

「クエスト一覧からクエストを選ぶ」という一般的なスマホRPGのスタイルと比べると、クエストひとつ受注するにも実際にマップを移動しなければならない本作は、ともすれば面倒に思えるかもしれない。しかし、このスタイルには「世界が広がっていく」ことを実感できるというメリットがある。クエストをひとつ達成するごとに行ける町やダンジョンが増えていく。それが、マップで目に見えて分かる。これが、楽しい。子どものころを思い出して欲しい。自転車、バス、電車、原付バイク…と、年齢によって使える移動手段が増え、自分の行ける世界が広がっていくことにワクワクしなかっただろうか。この「世界が広がる」楽しさこそ、16BitRPGスタイルが持っていた、そして本作が見せてくれる楽しさなのだ。

■スマホでの快適操作と戦略の楽しさを同時に実現したコマンドシステム

スーファミにPC9801と、ここまで過去のRPGスタイルを引き合いに出して説明してきたため、「懐かしさを狙ったレトロ志向のゲームなの?」と感じた人もいるだろう。しかし、本作はことさらレトロを志向したゲームではない。確かにマップの見せ方や大まかなバトルシステムなどといった構成要素は16Bit時代のRPGのもの。しかし、スクリーンショットを見ても分かる通り、グラフィックは16Bit的なドット絵ではないし、BGMも16Bit的な音源ではない。それ以前にそもそも、「スマホゲーならではのおもしろさ」を取り入れている部分も多い。そのひとつが、戦闘時のコマンドシステムだ。

本作のように横持ちのスマホRPGをプレイする際、筆者が煩わしいと感じるのが「敵の選択」。というのも、「攻撃」などのコマンドと、敵の選択ボタンが離れた位置に表示されることが多く、指を動かしたり、両手を使ったりしなければならないからだ。「ちょっと指を動かすくらいなんだから、そこまで面倒くさがらなくても…」と思うだろうか?しかし、家庭用RPGだと、基本的にはコマンド選択からボタン連打でそのまま敵が選択できる作りのものが多かった。一度その快適さを知ってしまうと、ちょっと指を動かすくらいであっても、煩わしく感じてしまうのだ。

この「煩わしい」問題について、たいていのスマホゲームが出したアンサーは「戦闘を基本オート化」「“自分の前の敵を攻撃する”…といった形で攻撃範囲をコマンドに含めてしまう」といったもの。その中で本作は、これらとは異なるおもしろいシステムで解決している。バトルでコマンドを選ぶと、コマンド側にマス目の書かれたウィンドウが開く。このウィンドウはバトル画面を縮小したもの。マス目の上に敵を示すアイコンが配置されており、このアイコンをタップすることで敵を選択できるのだ。ウィンドウがコマンド側に表示されるので、そのまま連続タップで快適に選択できる。しかし、それだけではなく、戦略的な楽しさも生み出している点が興味深い。

本作のスキルには攻撃範囲が設定されており、この攻撃範囲はマス目によって表現されている。そう、ウィンドウのマス目とスキルの攻撃範囲とが対応する形だ。なので、タテ2マス×ヨコ2マスという攻撃範囲を持ったスキルであれば、最大4体の敵を同時攻撃できる。さらにおもしろいのが、敵のアイコンのサイズ。サイズの小さな敵であれば1マス分のアイコンだが、体が縦に長い敵であればタテ3マス分のサイズで表示されるなど、敵の体のサイズによってアイコンのサイズも異なるのだ。これによって、敵の配置に応じて、最も効率的に倒せるどのスキルを選ぶ…という戦略性が生まれている。

■現代に合わせたサクサクのテンポ!新規プレイヤーにもオススメ

「スマートフォンでのプレイ」を想定して作られた部分は、戦闘時のコマンドシステム以外にも存在している。そのひとつがテンポだ。スマホゲームは、ちょっとしたスキマの時間にプレイされることが多い。だからこそ、一般的なスマホRPGも「クエスト一覧からクエストを選ぶ」という形式を採用しているのだ。これに対して、旧来のRPGのスタイルを引き継ぐ本作では、テンポの速さという形で対応している。移動スピードはもちろん、戦闘のスピード、レベルアップの速さなど、ゲーム内のすべてのテンポが速い。これはストーリー的なイベントや村や町の中にいるNPCとの会話に至るまで徹底しており、短時間でもサクサクプレイできるようになっている。

また、ストーリーの導入も、テンポの良さに影響していると感じた。ゲーム固有の設定や専門用語などをゲーム冒頭から一気に登場させるようなことはせず、まずは日常的なイベントからスタート。徐々にゲーム内の設定が明らかになっていくという作り。イベントの内容も明るく軽妙なので、スムーズに感情移入させてくれる。スーファミ時代のRPGをプレイしたことがないという人でも、すんなり楽しめるだろう。

最後にまとめると、KEMCOのRPGは16Bit時代のRPGのスタイルを引き継いだ上で、スマホで快適に楽しめるものを目指した志の高いRPGだ。本作、「ルインバース」もその例に漏れない。16Bit時代のRPGを知らないプレイヤーにはサクサクプレイできる買い切り型スマホRPGとして楽しむことができ、16Bit時代のRPGを知る人には、そこに「懐かしさ」が加わる形で楽しむことができる良作RPGだ。もちろん、気になるところがないわけではない。今回のプレイで筆者が気になったのは、操作性の部分。位置固定タイプの仮想パッドか、移動先タップという移動タイプを選べるのだが、個人的にはスワイプしたポイントに仮想パッドが出現するタイプの操作方法が欲しかった。とはいえこの点は慣れてしまえば問題なくプレイできるため、致命的な欠点ではない。冒険やストーリーを楽しみたいというRPGファン、16Bit時代のRPGが好きだったプレイヤーは是非プレイしてほしい。

(C)2019 KEMCO/EXE-CREATE

本文はここまでです このページの先頭へ