ゲームトップ > ニュース・Q&A > ニュース > 【Spot the 電撃文庫】「伝奇小説の魅力をたっぷり詰め込んだ」――『楽聖少女』の作者・杉井光先生インタビュー!
ここから本文です

ニュース詳細

配信日時:2012年5月26日 01時55分

その他

【Spot the 電撃文庫】「伝奇小説の魅力をたっぷり詰め込んだ」――『楽聖少女』の作者・杉井光先生インタビュー!

 電撃文庫で活躍する作家陣のメールインタビューをお届けする“Spot the 電撃文庫”。第36回となる今回は、『楽聖少女』を執筆した杉井光先生のインタビューを掲載する。
 本作は、『神様のメモ帳』シリーズでおなじみの杉井先生と岸田メル先生のコンビが贈る、魔術と音楽が入り乱れる絢爛ゴシック・ファンタジー。悪魔“メフィストフェレス”を名乗る奇妙な女によって、大作家ゲーテとして19世紀の楽都ウィーンに転生した少年・ユキの物語が描かれていく。
 ユキが連れ去られたのは200年前のウィーン……のはずなのだが、そこは電話も戦車も飛行船も魔物も飛び交う異世界! ユキは、現代の日本に戻る方法を探すのだが、その途中で1人の少女と出会う。稀代の天才音楽家である彼女は、驚くべき名を名乗っていて……。
 杉井先生には、本作のセールスポイントや小説を書く時にこだわっているところなどを語っていただいた。また、電撃文庫 新作紹介ページでは、本作の内容を少しだけ立ち読みできるようになっている。まだ読んでいない人はこちらもあわせてご覧あれ。
――この作品を書いたキッカケを教えてください。
 前のシリーズで資料と称して楽譜や音源をたくさん買い込んだので、また別の音楽ものを書かないともったいないなと思ったのがきっかけです。それに、音楽ものを書かないとCDを経費で落とせないのです。経費のためにも、音楽ものは手を変え品を変え今後一生書き続けるつもりです。
――作品の特徴やセールスポイントはどんな部分ですか?
 この小説を読むと、ナポレオン戦争時代のヨーロッパ史に詳しくなったような気になれますが、書いてあることのほとんどは嘘なので真に受けると世界史のテストでひどい目に遭うでしょう。同様に古典派末期のドイツ音楽史にも詳しくなったような気になれますが、書いてあることのほとんどは嘘なので真に受けると音楽のテストでひどい目に遭うでしょう。
 それでも、伝奇小説の楽しいところはたっぷり詰め込みました。伝奇の魅力は“誰でも知っているのに誰も知らないこと”、これに尽きます。主人公は日本人の少年で、なんにも知らないまま200年前に飛ばされます。読者の皆様も、同じように手ぶらでこの異世界に飛び込んで楽しんでいただければと思います。
――作品を書くうえで悩んだところは?
 最初は主人公の立ち位置がちょっとぐらついていて、話のスタンスが安定しないまま書き進めてしまったので、あとから筋を通すのにだいぶ苦労しました。それと、当時のヨーロッパはおもしろい人物もおもしろい事件もありすぎて、どれをお話に盛り込んだらいいのか、選定にかなり迷いました。
――執筆にかかった期間はどれくらいですか?
 構想開始から、なんとびっくり、2年3カ月かかりました。自己最長記録です。
――執筆中に起きた印象的な出来事はありますか?
 『ゼルダの伝説 スカイウォードソード』が発売されてしまいました。それとなんの関係があるのか自分でもよくわかりませんが執筆が2週間以上止まりました。
――主人公やヒロインについて、生まれた経緯や思うところをお聞かせください。
 主人公は最初、ゲーテ本人にするつもりでした。企画書を一読した担当編集が「やっぱり日本人の少年を主人公にしたほうがわかりやすいんじゃないか」と言ってきたので、いやそんな無茶振りもたいがいにしてくださいよと思いながら家に帰って風呂に入っていたら、不思議なことに、異世界召喚ものとしてのプロットがすんなり頭の中でまとまったのです。そんなわけで主人公は担当編集が生み出したといっても過言ではありません。
 ヒロインは、元々この人物をこういう形で描くために構想した物語なので、最初から最後までまったくぶれずに書ききれました。今までで一番書きやすいヒロインだった気がします。
――特にお気に入りのシーンはどこですか?
 非常に長い間、暖め続けてきた話なので、ほとんどの場面がお気に入りなのですが、強いてひとつ挙げるとすると冒頭の図書室の場面です。
――今後の予定について簡単に教えてください。
 終わり方はだいたい決めているのですが、それまでにはてさてどれくらいの巻数が必要なのか、自分でもちょっとわからないくらいネタがたくさんあって、途方に暮れております。
――小説を書く時に、特にこだわっているところはどこですか?
 最近は1ページに文章のどこからどこまでが収まるのかが気になってしょうがないです。ボケとツッコミをしょっちゅう書くのでページをまたいでテンポが崩れないようにするのが割と大変です。
――アイデアを出したり、集中力を高めたりするためにやっていることは?
 ムダと知りつつゲームで息抜きしたり、ムダと知りつつコーヒーをがぶ飲みしたり、ムダと知りつつヘッドフォンで大音量で音楽を聴いたりしましたが、けっきょくのところPCの前に踏ん張って原稿のことだけ考え続ける以外の方法はないと思います。
――高校生くらいのころに影響を受けた人物・作品は?
 高校の時に買ったQUEENの『A NIGHT AT THE OPERA』が、生まれて初めて自分の金を出したCDです。それから全アルバム買いました。ユニコーンもテープがすり切れるくらい聴きました。が、もっとも影響を受けた人物というと、実のところ高校の音楽部の部長ではないかと思います。この先輩、検索してみましたら、なんと2011年9月にアルバムデビューしておりました。音楽を続けていたことに感涙です。
――現在注目している作家・作品は?
 懐古主義なもので、現役のミュージシャンをあまり聴かなくなってしまったのですが、アダム・ランバートの新譜は心待ちにしています。2ndアルバムが1カ月発売延期になってしまったので、やきもきしながら4月を過ごしました。
――今熱中しているものはなんですか?
 ラーメン作りを再開しました。湯切りザルも買ってしまいました。めちゃくちゃ便利です。
――ゲームで熱中しているものがあれば教えてください
 『マジック:ザ・ギャザリング』を久々に2日間ぶっ続けでやったらやはり楽しかった(そして意外にも好成績だった)ので、またまじめに取り組もうと思っています。
――電撃オンラインにも『マジック:ザ・ギャザリング』特集ページがありますので、もしも興味を持った方がいたらご覧ください。それでは最後に、電撃オンライン読者へメッセージをお願いします。
 本を読んでいて、あるいは音楽を聴いていて、映画を観ていて、“時を忘れる”という感覚をだれでも1度は味わったことがあると思います。まさしく、“それ”について書きました。味わったことがなくても大丈夫! ここに、あなたの初体験があります。
(C)杉井光/AMW
イラスト:岸田メル

提供元の記事はこちら(外部サイト)

本文はここまでです このページの先頭へ